トーネードの艤装 新艇の購入 セールの素材 セールメーカー 部品の入手 自作部品 マリンショップ巡り |
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トーネードの艤装 | 稲毛フリート最新艇 JPN-24号艇を紹介いたします。この艇はシドニーオリ ンピック銀メダル艇です。縁があって稲毛にきました。 |
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両艇体は前後二本のアルミビームで結合しています。その間にトランポリンが張られておりここに乗艇します。 | セールプラン:メイン/ペンテックス ジブ/ペンテックス(ノンオーバーラップ) スピン/ナイロン |
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カーボンマスト+カーボンスプレッダーです | メインシート: ブーム側はケブラー帯で吊っています 最大85kgの張力が掛かるメインシートは1/8で 引いています。 |
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メイントラベラーは後ビーム材上部にあり艇全幅分の長さがあります。 セールを出した状態でも真下に引けるためブームバングは装備しておりません。 |
ハルから出たフック爪先にトランポリンは留めてあります。 編込みラインはケブラーロープです。 |
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木製ブレードに樹脂をカバーした舵板です。 ラダーハウジングはカーボン製です。 |
格段に使い易いスェーデンセールセンター特製のラダーストッパーです。確実に舵板を下げて固定し、陸上では不用意に落ちず且つ障害物衝突時は簡単に跳ね上がる、 これだけのことが難しいのです。 | |||||
スキッパーもトラピーズに出るためティラーエクステンションは3.3mの長さがあります。 釣竿のような伸縮式ですがカーボン製のため細く軽量です。 |
トーネードはカタマランですが登り性能も重要視しているためセンターボードを持っています。 しかも回転して艇体内に収納するタイプなので、構造的に複雑になり漏水の原因となっています。 |
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マストステップ周り メインダウンホウル:1/10で引きます。 ジブトラック:セルフタックジブセール用です。 |
スピンネーカー収納筒 スピンネーカーは非対称タイプのジェネーカーで、 非展開時はスナッファーと呼ばれるバウスプリット 兼用の収納筒に収まっています。 非常に薄いカーボン製です。 |
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トランポリン上にはシートロープが複雑に絡むことなく、非常にシンプルで使い易い構造です。フットベルトに挟んでパドルを置いています。 トランポリン上のカム・ブロックはスピンホイスト用のものです。 |
ステーワイヤーは7本ストランドの細いものです。 トラピーズ用のブロックカムクリートはカーボン製で吊り下げワイヤーはケブラーの2mmです。 ステンレスワイヤーに慣れた者には大変に不安に感じるものですが、今までに切れたことはありません。 但しフックを掛けるのを忘れてトラピに出、そのまま海に落ちて一瞬で50mくらい後方へ流されることはよく有ります。 |
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陸上でセールを上げている時に、場合によっては風をはらんで走り出す事があります。 車輪ストッパーは必須アイテムです。 |
保管時はこんな形のボートカバーを掛けます。 たまにカバーとトランポリンの間で野良猫が寝ていることがあります。結構気持ちがいいのかも・・ |
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新艇の購入 | ||||||
2010年12月現在の外為レートでの新艇購入価格は次の通りです。数年前の試算と比較すると買い得感があります。 | ||||||
品名 | 内訳 | 製作所・扱者 | 金額 | |||
艇体一式 | セール以外全て込み 即レース可能 |
スウェーデン セールセンター |
€ 23,012 ¥ 2,660,000 (TAX込) |
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同運賃 | 現地梱包集荷 通関・稲毛渡し |
日本通運 ロンドン支店 |
¥ 600,000 | |||
セール一式 | ペンテックスメインジブ ナイロンスピン |
グレイサーセイルズ 米国カリフォルニア |
US$ 4,180 ¥ 400,000 (TAX込) |
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同運賃 | 現地梱包集荷 通関・関東自宅渡し |
米国DHL | ¥ 60,000 | |||
合計 | ¥ 3,720,000 | |||||
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セールの素材 | ||||||
Jダクロン /Mダクロン |
Jカラーダクロン /Mダクロン |
Jカラーマイラー /Mカラーマイラー |
Jカラーマイラー /Mケブラー |
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稲毛フリート所属艇のセールクロス素材は市場に出た時代が古いものから順に | ||||||
・ダクロン | ポリエステルのデュポン社商品名で帝人ではテトロンと呼ぶ。 縦横糸を編んだ織物クロス。構成する糸の太さを変え織物断面を変えることで多様な用途のセールに用いられている。 抜群の耐久力を持ち、シバーに強く磨耗も少ない上に供給量が多いため安価である。新品のうちは「バリバリ」と音がする。 よれよれになるまで使えるのはこの種類だけである。 |
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・ナイロン | 伸びは大きいが、軽く強度があるため弾力が必要なスピンネーカーとして用いられる。カラー素材が大多数を占める。 | |||||
・マイラー | ナイロンやダクロンの伸縮性を貼り合せたフィルムにより補ったもの。 発色が美しくカタマラン独特の雰囲気を醸し出す。軽量で強度もあり風力学的にも優れているが、シバーと摩擦に弱く貼り合せ二素材の剥離が起きる |
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・ケブラー | 軽量で引張強度はポリエステルの5倍。抜群の強度を誇る。 素材そのものは網状であるため両側からフィルムで貼り合せ(ラミネートして)用いる。素材としては硬く柔軟性に欠けるためシバー等の短期変形の繰り返しは避けるべき。高価である。 |
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・ペンテックス | ケブラーとポリエステルの中間の強度と弾力性を持った素材。価格も両方の中間値である。新規格トーネードではジブセールもフルバテン仕様となりシバーに対する耐久性が増したため、今はジブセールでも不安無く用いられる。ホワイト及びスモークがある。 | |||||
・T-ファイバー | 最新素材ではあるがケブラー、ペンテックスとは異なり縦横糸を編んだ織物クロスである。土のう袋や荷造り紐に使われるポリプロピレンに似た素材で大変に軽く(ダクロンの1/2、ペンテックスの2/3程度)て強度は同等。 価格が高く国際トーネード協会からは公式セール素材として認定されてはいない。 ある程度の柔軟性を持つが細いものの突き刺しには抵抗性がほとんど無い。従ってバテン突き破り事故には細心の注意が必要。 |
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Jダクロン/ Mペンテックススモーク |
Jダクロン /M Tファイバー |
Jペンテックスホワイト/ Mペンテックスホワイト |
S/ナイロン |
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上記素材の中で国際トーネード協会から公式に認可されたものはメイン・ジブ用としてダクロン及びペンテックス、スピン用としてナイロンである。 ハイスピードボートの常として乗り手はとことんスピードを追求するものであり、それは最新素材の艇への導入として艇価格に直接大きく反映するものである。 トーネードのような大型艇にとっては艇体価格の高騰が著しく、そのことで一部の裕福な階級及びスポンサーを付けたプロフェッショナルセーラーのみが、購入と活動を持続出来る様になり一般アマチュアセーラーのための艇種ではなくなってくる。 国際トーネード協会ではそれを避けるために、艇材質・素材の制限を設けている。 |
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セールメーカー | 稲毛フリート所属艇のセールのメーカーは入手した時代の古い順に | |||||
ノース(アメリカ) | スマイス(アメリカ) | ウルマン(アメリカ) | デインジャー(アメリカ) | |||
ズッコリ(イタリア) | グレイサー(アメリカ) | オリンピック(豪州) | ||||
ほぼ全メーカーともトーネードセーラー(現役&引退)が主宰している。オリンピックメダリストまたは世界チャンピオンがほとんど。 特にアメリカ・グレイサーセイルズとは十数年に渡る購入の実績があり、「稲毛フリートの注文には前払い金は不要 (you are old customer)」と言わしめたほど。セールクロスの在庫も豊富だ。 |
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部品の入手 | ||||||
艤装品はカタマラン特有の形状・機能を有するものが多く、それでなくとも少ない日本のマリンショップで購入できることはまずありません。 一時期ハーバーではブロック類をはじめとする艤装品の盗難がよくありましたが、トーネードのものは被害に遭いませんでした。モノハルには大き過ぎたりクリートの向きが逆さだったりするためです。 そこで私達の大きな味方となっているのは、(と言うよりは唯一の方法で他に選択肢はない) アメリカのヨット用品通販会社からの購入です。 |
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マーレーマリン | 世界で唯一、カタマラン用品専門の通信販売店。かのマイケルジャクソンのネバーランドがある西海岸サンタバーバラにあります。 稲毛フリートとしては20数年来の輸入実績があり、カタマラン用品で揃わないものは無いと言っても過言ではありません。 長さを指定すればステーワイヤーも作ってくれます。 |
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ウエストマリン | 北米大陸全域に支店網を繰り広げる超大型店。ヨットボート用品全般を扱い、多量の在庫を誇っています。 当地へ旅行した折には訪ねてみるのも面白いのでは。 日本からの通販拡大にも力を入れており、日本人の電話受付も置いています。コールセンターはシリコンバレー付近にありますが、時差のため応対時間は限られています。 |
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どちらもファックス・インターネットからの注文は24時間可能。 私達は成田空港に近いため、貨物便の都合が良い時は注文後中二日で配達されることもあります。ただし先方発送時点では免税扱いですが、成田税関で通関税と消費税が掛けられます。セーリンググローブ等の革製品は国内産業保護のためやたら高い税率となっており、ここを基準に一律課税されると馬鹿高い関税をとられることとなります。 従ってこれらを含む複数品目を注文する場合は注意が必要。航空便運賃も結構高いため一考を要しますが、それでも国内での購入よりは随分と安いです。 私達は誰かが輸入する話しがあるとそれに便乗して購入しています。 |
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自作部品 | ||||||
種としての艇の規格は国際トーネード協会(ITA)によって厳密に管理されていますが、モノハルヨットのレーザーや470のような完全に統一された規格ではなく、ある定められた枠内での自由さは残されています。従って造船所や年式の違いにより細部に多少の差異がある上、黎明期には多数の自作艇も存在していました。 旧式艇部品のように造船所からの入手すら困難なものは、原点に返って自作したします。 木加工が得意な者、FRP加工が得意な者、金属加工と溶接が特技な者夫々の集団です。 |
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センターボードは集成材を切り表面をカンナで削って滑らかにし、FRPを掛けて作ります。 | ラダーヘッドはステンレス板を切り、アルミ塊 を削り込んでボルトで止めます。 |
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マリンショップ巡り | ||||||
ウエストマリン/ニューヨーク・マンハッタン店 場所:アメリカ合衆国ニューヨーク市ニューヨーク37丁目 こんなオフィス街の真ん中にマリンショップがあるなんて(?) ニューヨークの名所エンパイヤステートビルとグランドセントラル駅を地図上直線で結んだほぼ中間、五番街近くというベストポジションに位置するこの店の名前は「ウエストマリン・ニューヨーク支店」 ネット購入では多数の人が利用しているが、ニューヨークに行く機会はあってもショップに行く機会はなかなか無いのが現実。 道路側から見ると(写真右上)何の店かは不明だが、一歩店内に入ると、ヨットマンなら誰でも欲しがるグッズのオンパレード(写真下) 不明なことがあったら、店員に何でも相談してみよう。 ただし英語で。 日本では入手しにくいグッズが豊富に揃っている。 ニューヨークに出かける際には、ぜひ一度立ち寄ってみる価値がある店である。 文責 山澤 隆夫 |
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ウエストマリン/カリフォルニア・マリナデルレイハーバー店 場所:アメリカ合衆国カリフォルニア州南マリナデルレイ 「王様のハーバー」と称される世界一のヨットハーバーには二つのウエストマリンショップがある。 高級リゾート感の強い北部に一店舗とスポーツ施設感の強い南部に一店舗だ。ここは南部の店。 倉庫状の広大な店舗にボート用品がずらりと陳列されている様は圧巻。 このショップの住宅地よりのボートヤードにトーネード一艇が置いてあるのが見えた。 内山 恵市 |
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ロイヤルホンコンヨットクラブ・シップショップ (皇家香港遊艇会・船具店) 場所:香港/香港島銅鑼湾奇力島 そごう・三越デパート等がある香港島随一の繁華街銅鑼湾(トンローワン)の裏側の小さな半島がRHKYCの敷地。ダウンタウンとは湾岸の高速道路で隔たっているため行き辛い。 入口には小銃を構えた(!)警備員が立っていてここだけは中国に返還されていない雰囲気。 「日本でトーネードに乗っている」旨伝えると臨時登録証を胸に着けての入場を許可される。 世界中に散らばる英王立ヨットクラブのひとつ。香港特有の水上生活者のジャンクが多数停泊する隣に、巨大なクルーザーの高いマストが林立する様は壮観。クラブ本館の話は別機会に触れるとして、マリンショップは広い敷地のほぼ中央にあり、30坪程度の広さの平屋で艇庫に隣接している。 セーリングクルーザー用品が主だが、ブロック・ロープ類をはじめ艤装品が多数陳列されている。またRHKYCのノベルティ品も多く、クラブマークの龍(ドラゴン)をあしらった服飾関係品も多い。イギリス領という土地柄からイギリス製の物が多く、ロンスタン品も多い。 文責 小幡 仁 |
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